ダウンの天敵。“水”を克服した水沢ダウン、3つの革命
水沢ダウンがファッションシーンに起こした変革は、ダウン唯一の弱点といえる“水”を克服したこと。 バレンシアガ新作まずは、なぜダウンにとって水が弱点なのか、水沢ダウンは難題をどのように解決したのかをご紹介。
革命1

従来のダウンといえば、暖かさこそが命。表地と裏地の間に中綿(羽毛)を入れ、その三層を縫い合わせる(=キルティングする)ことで程良くボリューム感のある、暖かなウェアとして幅広い世代に愛され続けてきました。
しかし、この“縫い合わせる”という行為にこそダウンの弱点があったのです。そもそも、縫うという行為には、生地に穴を空ける工程が含まれます。小さな穴ではありますが、水分が侵入することで中綿が劣化します。またステッチ部分の隙間からダウンが抜け落ちてしまうということも……。つまり、ダウン特有のキルティングにこそ、ダウンを劣化させる要因があったのです。
しかし、水沢ダウンはこの問題を“熱接着ノンキルト加工”という技法で解消。一見するとなにやら難しそうな名称ですが、ふたを開けてみれば簡単です。要は、縫わずに表地と羽毛、そして裏地の3層を重ね合わせることに成功し、穴を排除したのです。スゴい……、スゴすぎるぞ水沢ダウン。そう連呼したくなるのは私だけではないでしょう。
向かって右側は従来のダウンの多く、つまりキルト加工を施したもの。微量ではありますが、雨や風を通過させてしまっていますよね。一方、向かって左側の水沢ダウンは“熱接着ノンキルト加工”(Non-Quiltedって書いてありますね)によって雨や風を見事に、それはもう見事に防いでいます。でも、これだけじゃないのが水沢ダウンのニクいところなんですよ。
革命2

いかに“熱接着ノンキルト加工”が優れているとはいえ、縫製が必要な場所も数多く存在します。しかし、その点に関しても水沢ダウンは対応済み。水に対するもう1つの革命である“シームテープ加工”もそなえられているのです。
シームテープとは、防水のためのテープ。レインウェアの縫い目に採用されることが多いのですが、水沢ダウンでも縫製が必要な、たとえば脇のあたりにはこのテープが施されています。
革命3

“熱接着ノンキルト加工”と“シームテープ加工”だけでも驚異的なスペックですが、水沢ダウンにはさらなる水対策が施されたモデルもあるのです。それが、ストームというモデル。はじめて同モデルを見たときの私には「この線は、何?」と疑問符ばかりが頭をよぎりました。しかし、『 バレンシアガ パーカー コピー 』が意味のないデザインを施すわけがありません。
ストームに施された印象的な胸のラインは“ストリームライン”と呼ばれる立派な意匠のひとつ。これは、表地に付着した雨の流れを抑制し、ポケットへの水の流れを軽減するためのもの。同モデルのフードにも施されていて、雨天時の視界の確保に有効です。いやー、どうですか。スゴすぎますよね、水沢ダウン。
……え? 「水に強いのはわかったけど、ダウンならではの暖かさはどうなの」、「水を防ぎまくったら暑いだけじゃないの」ですって!? もちろん、その点も抜かりありません。抜かりないのは私じゃなくて水沢ダウンですが、続いて“熱”に対する水沢ダウンの機能も見ていきましょう